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最高裁判所第二小法廷 昭和25年(さ)33号 判決

本籍

青森市大字米町一三九番の一号地

住居

不定(名古屋刑務所在監)

無職

長内新三

昭和七年一〇月三〇日生

右の者に対する窃盗被告事件について、昭和二四年一二月二八日名古屋簡易裁判所の言渡した判決に対し、検事総長代理次長検事木内曾益から非常上告の申立があつたので、当裁判所は次のとおり判決する。

主文

本件非常上告を棄却する。

理由

本件非常上告の理由は末尾添附別紙記載のとおりであるが、非常上告は、抽象的に法令適用の誤を正すことを目的とするものであつて、個々の裁判の事実認定等の誤を是正することを目的とするものでないことは、当裁判所の判例とするところである(昭和二五年(さ)第三六五号同年一一月八日大法廷判決)。本件非常上告の理由とするところは、要するに昭和二四年一二月二八日名古屋簡易裁判所が言渡した判決において被告人は当時満一八才未満の少年であつたのに拘らず、満一八才以上の者と誤認したという事実認定非難を前提として手続違背を主張するものであつて、非常上告適法の理由とならないものである(昭和二五年(さ)第三九号同二六年一月二三日第三小法廷判決)。

よつて刑訴法第四五七条に従つて主文のとおり判決する。

この判決は裁判官全員一致の意見である。

検察官 小幡勇三郎関与

(裁判官 霜山精一 裁判官 栗山茂 裁判官 小谷勝重 裁判官 藤田八郎 裁判長裁判官塚崎直義は退官につき、署名押印することができない。裁判官 霜山精一)

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